【つらい手首の痛み、もう我慢しないで！】腱鞘炎の基礎知識から予防・改善まで徹底解説

「最近、手首がズキズキ痛む…」「指を動かすとピキッと電気が走るような痛みがある…」

もしかしたら、それは腱鞘炎かもしれません。日常生活で頻繁に使う手や指に起こりやすく、放っておくと慢性化してしまうこともある厄介な症状です。

今回は、そんな腱鞘炎の基本的な知識から、自分でできる予防法、そして当院で行っている改善策までを詳しく解説いたします。手首や指の痛みにお悩みの方は、ぜひ最後までお読みください。

腱鞘炎ってどんな症状？

腱鞘炎とは、腱と腱鞘という組織に炎症が起こることで、痛みや可動域制限を引き起こす病気です。

私たちの手や指を動かす筋肉は、腱という丈夫な線維状の組織によって骨と繋がっています。この腱がスムーズに動くためには、腱鞘というトンネルのような組織が腱を包み込み、支える役割を果たしています。

しかし、手の使いすぎや繰り返しの動作などによって、腱と腱鞘が摩擦を起こし、炎症が生じることがあります。これが腱鞘炎の主な原因です。

腱鞘炎の代表的な症状

腱鞘炎の症状は、炎症が起こっている部位によって異なりますが、一般的には以下のような症状が見られます。

痛み: 手首、手のひら、指の付け根などに痛みが生じます。初期には動作時のみに痛みを感じることが多いですが、悪化すると安静時にも痛むことがあります。
腫れ: 炎症によって、患部が腫れることがあります。
熱感: 患部に熱を持つことがあります。
可動域制限：痛みや腫れによって、手首や指の曲げ伸ばしがしにくくなることがあります。
引っかかり感: 動作時に腱が腱鞘に引っかかるような感覚を覚えることがあります。（ばね指）
しびれ: 神経が圧迫されることで、指先などにしびれを感じることがあります。

特に、ドケルバン病と呼ばれる手首の親指側の腱鞘炎や、指の付け根に起こるばね指は代表的な腱鞘炎として知られています。

なぜ腱鞘炎になるの？主な原因

腱鞘炎の主な原因は、手の使いすぎや繰り返しの動作による腱と腱鞘への負担です。具体的には、以下のような要因が考えられます。

パソコン作業: 長時間のキーボード入力やマウス操作
スマートフォンの操作: 親指でのフリック入力など
家事: 料理、洗濯、掃除など、手首や指をよく使う作業
育児: 赤ちゃんの抱っこや授乳など
スポーツ: テニス、ゴルフ、野球など、手首に負担のかかる動作
楽器の演奏: ピアノ、ギターなど、指を細かく使う動作
加齢: 腱や腱鞘の柔軟性が低下すること
ホルモンバランスの変化: 妊娠や出産、更年期など
関節リウマチなどの基礎疾患

これらの要因が複合的に関わって、腱鞘炎を引き起こすことがあります。

自分でできる！腱鞘炎の予防策

腱鞘炎にならないためには、日頃から手を酷使しないように心がけることが大切です。以下に、自分でできる簡単な予防策をご紹介します。

作業の合間に休憩を挟む: パソコン作業や手作業など、同じ動作を続ける場合は、こまめに休憩を取りましょう。1時間に5～10分程度の休憩が目安です。
正しいフォームを意識する: キーボードやマウスを使う際は、手首が不自然な角度にならないように注意しましょう。肘や手首を支えるクッションなどを活用するのも有効です。
ストレッチやマッサージを行う: 作業の前後や休憩中に、手首や指のストレッチやマッサージを行い、筋肉や腱の柔軟性を保ちましょう。
- 手首のストレッチ: 手のひらを上に向け、反対の手で指先を曲げるのとは反対側に引っ張ります。手のひらを下に向けて同様に行います。
- 指のストレッチ: 指を一本ずつ反らせたり、握ったり開いたりする動作を繰り返します。
- マッサージ: 手のひらや手首周りの筋肉を優しく揉みほぐします。
サポーターを活用する: 動作時に手首に負担がかかる場合は、サポーターで固定することで腱や腱鞘の負担を軽減できます。ただし、長時間の使用は筋力低下につながる可能性もあるため、作業時のみの使用に留めましょう。
冷やしたり温めたりする: 炎症が強い場合は冷やし、慢性的な痛みには温めるなど、症状に合わせて適切な処置を行いましょう。
重いものを持ちすぎない: 日常生活で重いものを運ぶ際は、できるだけ負担を分散させるように工夫しましょう。